日本は社会的弱者を見捨てなかった国だと思っていましたが、どうもそうではないようになってきました。そもそも社会的弱者を救うという思想が広くゆきわたるようになったのは、近代になってからのようです。しかし、近くの困っている人を助けるのは人間として当然のことだと思います。
しかし格差社会になって、富裕層の社会しか知らない人にとっては、貧困層の存在すら目に入らないことがよくあるそうです。そのような人たちが、社会のリーダーに就いたとき、社会的弱者はその存在すら考慮されず、見捨てられてしまいます。そのような社会に日本は段々と成っていくようで、そのような社会に対して、香山さんは警告を発しています。
最近不思議に思うことは、日本の色々な事に対する一部国民の異常な過大評価です。たとえば先日行われたサッカーのワールドカップ。FIFAランキングではかなり下位の日本が、グループリーグを勝ち上がり優勝するのでは、などと言うマスコミの報道(阪神今シーズンは優勝や、と言うのは毎年あるが)、またオリンピックでのメダル予想など普通に判断すれば起こりそうもないことを大きく流し、それを国民が簡単に信じてしまいます。それに反対の意見を言う人に対しては、ネットなどで散々叩くことが横行しています。
私は自分の立ち位置をリベラルと考えていますが、私のような意見を持っている人、それを述べる人にとって、生きていくのがつらい世の中になってきています。
香山リカさんは私と考えが一致するところが多く、彼女の本を読むと仲間がいることに安心できます。 |