先に大阪府医師会学校医部会設立30周年記念式典があり、その記念講演として、京都大学霊長類研究所教授の正高信男さんの講演がありました「携帯を待ったサル」、「考えないヒト」などの著書で有名な先生です。これらの著書でも分かるように、発達障害、特に認知学習障害、注意欠陥、多動性障害の研究をされています。
学校教育法などが改正され、いわゆる特殊教育が特別支援教育と名が変わったり障害者自立支援法が出来て、障害児者への対応、教育は大きく変わってきました。そうなってくればなおさら知的能力や認知能力の障害がないかという早期からのスクリーニングが必要となってくるでしょう。
講演ではナンバーセンスの障害、アスペルガー症候群、サバン症候群など脳の内部での情報を伝える障害を紹介していただき、これらの障害を早期に発見する事の必要性を強調されました。 正直言って、余り難しいニとよりも一番興味深く聞いたことは、脳と言語の発達の事でした。人間の遺伝子を調べたところ、現在待っている言語遺伝子を持ったのは10万年前と推測されるそうです。一方人間が直立二足歩行を始めたのは、250万年から300万年前と考えられています。人間はサルから分かれて人間に成りだして25分の24または30分の29経過して初めて言葉を持ち出したのです。そしてこのように言葉が出来る事で、情報を統合できたり、伝える事が出来たりすることが出来るようになったのです。ただこの様に出来て間もない言語能力ですのでまだまだ末熟で、欠陥も多いのは否めません。現在学習障害といわれる児童は、約6%いるそうですが、これは高等な脳の機能がコンビューターネットワークと同じように新しいので、非常に壊れやすいためと考えられます。
ニれらの児童に対し、インターネットを使った教育プログラムで療育していく非常に効果的な方法が開発されていると言う事です。単にヤル気の無い子供だ、風変わりな子供だ、と考えずにこの様な障害があることを考え、早期に発見する事の重要性を再確認しました。
白 江 医 院 白江 淳郎 |