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過敏性腸症候群について
 ストレスで腸の運動に変調を来たし、腹痛や便通異常(便秘、下痢)を起す過敏性腸症候群が急増しています。大腸の運動が盛んになりすぎ、腸の水分吸収が十分できず、便が柔らかく水のようになるのが[下痢型]。[便秘型]は大腸が痙攣して、蠕動運動が減り、腸内に長く食物とどまって過剰に水分が吸収され、便が硬くなります。

 患者さんは人口の10%〜20%に上り、ありふれた消化器心身症で、死に至る病ではありませんが、便秘に下剤、下痢に下痢止めという単純な対症療法ではなかなか治らず、不登校や欠勤、遅刻などの誘因になり、治療を必要とする場合もあります。

 診断基準は、腹痛か腹部不快感が1年で12週以上あり、”(1)排便で軽快 (2)排便頻度の変化で始まる (3)便性状の変化で始まる”の3つの便通異常の2つ以上を伴うものです。

 治療の第1段階は暴飲暴食を避けて1日3回の規則的食事、十分な睡眠、軽い運動などの生活習慣を改善して、高分子重合体や消化管運動調節薬などの薬物療法を4〜8週続けます。改善しなければ精密検査をしながら抗うつ薬や抗不安薬も使う第2段階、さらに絶食療法など専門的心理療法の第3段階にうつります。心当たりのある方は、一度医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

松田クリニック 松田 勉


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