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AED(自動体外式除細動器)とは 
 AEDとは、重篤な不整脈を来たし意識不明に陥り、呼吸も停止した、いわゆる心臓突然死の方に対し電気ショックをあたえる救急救命装置の一つです。
心室の動きは心房から発せられる電気信号により制御されていますが、何らかの原因で この信号伝達に障害が起こると、心室が異常な早さで拍動する状態(心室頻拍)や、小刻みに震える状態(心室細動)が生じて全身に血液が送れなくなり、心臓が止まっているのと同じ状態になる事があります。

 このような状態の心臓に対して、電気的ショックを与え心臓の拍動を元に戻す除細動と言う治療があり、AEDはこの除細動の操作を簡易にした装置です。
使用法は、AED付属の電極を対象者の胸部2ヶ所に貼り付ければ、この機器が心電図波形を自動的に解析し、除細動を必要とした場合にはパネルに表示、また音声で誘導し、必要な場合に限り通電ボタンが働く装置です。除細動を行なうべきでない場合には、通電ボタンを押しても通電できない仕組みになっています。

 日本における病院外心臓突然死は、1日約70例と推測されています。以前は除細動を行なうことが出来るのは医師のみでしたが、平成3年になって、救急救命士も厳格な条件の下で施行できるようになりました。心停止が起こってから除細動が行なわれるまでの時間が1分遅れると、救命率が10%低下する事を考えれば非常な進歩といえるのですが、目に見える効果はなかなか上げれませんでした。と言うのも心停止が運良く発見されても、救急救命士が現場に到着するまでに約11分経過(119番通報までが約5分、通報を受けてから現場に到着までが約6分)しており、とても間に合わないのが現状でした。

 こうした背景から平成16年7月厚生労働省は、一般の人が除細動を行なっても人命救助の観点から刑事・民事とも免責されるべきとの通達を出しました。これにより現場に居合わせた人がすぐに除細動を行なうことが出来れば、心停止から除細動までの時間が2〜3分と飛躍的に短縮され、確実に救命率を上げることが期待できます。藤井寺市医師会においても、医師会がAEDを購入して、藤井寺市すべての医師会所属の診療所・医院・病院にこのAEDを配布し、病院外心臓突然死に対応しております。

市立藤井寺市民病院 外科 大野耕一


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