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家庭で出来る傷(きず)の治療 
 夏はアウトドアの季節、元気な子供たちは遊びまわってあちこち傷だらけになって帰ってきませんか。そんな時、傷を早くきれいに、痛みもなく治せる方法をお話しましょう。

今までの傷治療の常識は

  傷は、消毒する。消毒しないと化膿する。
  傷は、乾燥させる。水でぬらしてはいけない。
  傷には、ガーゼを当てる。

でした。

しかし これらは全て間違いであるという考え方が最近広まっています。

  傷を、消毒してはいけない。
  傷を、乾燥させてはいけない。水でよく洗った方がいい。
  傷に、ガーゼを当ててはいけない。
  かさぶたは、傷の治癒を遅らせる。

なんです。

 つまり傷の治療法は、簡単に言えば消毒しないこと、乾燥させないことなんです。 この方法は、湿潤療法とか、うるおい療法などと呼ばれています。

 怪我をした後、傷口を見るとジクジクした液がついていますね。この液には傷を早く治すための成分や細胞が含まれていて、このジクジクは傷を治そうとする細胞が最も働きやすい環境なのです。消毒薬はこの細胞にとって有害で、消毒するとばい菌だけでなく細胞までも殺してしまうのです。ガーゼを当ててジクジクを吸い取ってしまうと、傷口は乾燥して治りにくくなります。

 では、傷の治療はどうすればよいのでしょう。まず傷口は水(水道水)で十分洗いましょう。汚れやばい菌を洗い流してください。出血していれば圧迫して止めましょう。洗ったあとは、ラップでおおってください。どこの家庭にもあるあの食品用ラップです。ラップにワセリンをたっぷり塗ればより効果的です。そしてラップをテープで止めてください。ラップは毎日取り替えるとよいでしょう。

 消毒の際の痛みも、ガーゼをはがす時の痛みもありません。浅い傷ならかさぶたもできずに、数日できれいに治ってしまいます。ただし、これは家庭で対応できる軽い傷の場合です。深い傷、汚れのひどい傷、出血の止まらない傷などのときは必ず医師の診察を受けてください。

久 保 医 院 久保博重


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