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新型インフルエンザに対するワクチンについて 

 宮崎県で、高病原性鳥インフルエンザウイルスによると思われる、鶏の大量死亡例が発生しました。これが直ちに新型インフルエンザの大流行(パンデミック)になる事は考えられませんが、日頃からインフルエンザに対する注意、予防は怠ってはなりません。

 インフルエンザの予防の一番有効なものは、やはりワクチン接種でしょう。現在、日本では新型インフルエンザに対する,試作ワクチンの治験が進んでいます。このワクチンに使用される新型インフルエンザウイルスは、2004年にベトナムで分離されたものです。これは、ヒトからヒトへの感染でなく、トリからヒトへの感染を起こした株なので、効果はそう強くはありません。しかし少し手を加えるだけである程度抗体価の上がったものを作る事が出来ます。病原性の強いH5N1インフルエンザが出現した場合の緊急避難的な対策として作っており、とりあえずはある程度抵抗力を上げておこう、と言う処置です。

 日本では現在毎年2000万人分以上のインフルエンザワクチンを生産しています。これは、三種類の株で作っている量なので、一種類つまりH5N1型のウイルス単独株ならこの三倍の6000万人分のワクチンを半年から一年の間に生産する事は可能と言われています。ただこれらのワクチンの接種も、やみくもに行うのではなく、罹患する可能性の高い人の順に行おうと計画されています。

 現在のインフルエンザにはタミフルが一番有効なお薬です。ただこの薬も、現在使用している投薬量では新型インフルエンザには、効果が不十分とも言われています。今後の研究が期待されます。

白江医院 白江 淳郎


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