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柑皮症(かんぴしょう)

 1.柑皮症って何?
 「柑皮症って何?」という人も多いと思いますが、ミカンの食べすぎで黄色くなったという話を見たり聞いたりしたことはあるでしょう。それが柑皮症です。皮膚が黄色くなる点は黄疸(おうだん)と共通していますが、柑皮症では眼球結膜(いわゆる白目)が黄色くなりません。  
 柑皮症とは、ミカンなどの柑橘類(かんきつるい)に含まれるカロチン(カロテン)という色素が顔の皮膚、手のひら、足の裏などに沈着したもので、黄色く見えることからそう呼ばれます。

 2.柑皮症の原因は?
 柑皮症の原因はカロチンの摂りすぎです。カロチンは体内でビタミンAに変化し、夜盲症や皮膚乾燥症、また動脈硬化を防ぐことも分かっています。カロチンを摂取することは大切なことですが、摂りすぎると柑皮症になってしまうこともあります。

 3.カロチンはどんな食べ物に多く含まれるの?
 昔はミカンをたくさん食べる冬季に多かったようですが、最近は健康ブームで様々な野菜ジュースやサプリメントが発売されており、柑皮症も季節を問わず見られるようになりました。カロチンはミカンのほかにニンジン、カボチャ、パセリ、ほうれん草、オクラ、ブロッコリー、シソの葉、アンズ、マンゴー、とうもろこし、スイカ、トマト、うに、焼き海苔などに多く含まれています。

 4.柑皮症になりやすい人
 カロチンは脂溶性(脂に溶けやすい性質)であるため、高脂血症があると血中カロチンが上昇しやすくなります。すなわち高脂血症の人は柑皮症になりやすいといえますので、これを疑われた時は高脂血症のチェックや黄疸との鑑別を兼ねて病院で採血検査を受けることをお勧めします。

 5.柑皮症の治療
 特別な治療法はありません。カロチンの摂取量を減らせば、数か月で徐々に皮膚の色調は戻ってきます。

 6.気をつけてほしいこと
 ここ数年、メタボリック・シンドロームが注目され、ダイエットに取り組む方が多くなっていますが、ダイエットというとすぐに低カロリー、緑黄色野菜と思い込むのではなく、バランスのとれた食事を心がけましょう。何でも食べすぎや偏食はよくありません。お気をつけください。

そごうクリニック   十川佳史


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