尿酸というのは、体の中で消費されたたんぱく質からできるプリン体、および口から摂取するプリン体から、肝臓で生成される物質です。
その量にはかなり個体差があります。出来た尿酸は腎臓から尿と一緒に排泄されるのですが、いくらでも腎臓から捨てられるわけではありません。人それぞれに排泄できる限度があるのです。
多くできる人は、日々血液中に排泄されなかった尿酸が増えていきます。もうこれ以上血液の中に溶けられない量を超えると、いつか血管の外へ結晶となって析出してしまうのです。この結晶が関節内にできると、ひどい場合「風にあたっても痛い」といわれる痛風発作になります。
最初は朝、起きたとき足の一部が少し痛い程度ですが、放置しておくと歩行困難になります。
痛みがでる場所は大部分足ですが、時に膝にもでます。いずれも赤く腫れて来院されます。
尿酸が増加する原因
1 プリン体を多く含む食品を摂取しつづける。
2 急に激しい運動を長くした後、細胞がこわれて、核酸から多くのプリン体ができます。
3 多くの水を体から排泄しなければならないとき、腎臓が一定以上の水の排泄をしなければならない時に、尿酸と水は競合し、水のほうが優先されます。
問題になるのは食品なのです。レバーや鰹節などがよく記載されていますが、毎日多量に取らなければあまり神経質にならないでも良いでしょう。
しかしアルコールはそういう訳にはいきません。というのも飲む人は毎日かなりの量のアルコールを摂取し、アルコール利尿により尿酸の排泄が阻害され血中の尿酸が増加するからです。なかでもビールはプリン体を含んでいますので、ダブルで悪作用をおこします。焼酎派、ウィスキー派でも最初の一杯は生ビールという人が多いのですが、通風持ちの患者さんがビールをやめると尿酸値も安定し、その後は発作が起きなくなります。
辰巳茂人 |