子宮頸がんの発症に関与するヒトパピローマウス(HPV)の感染を予防する子宮頸がん予防ワクチンが、国内で許可されてから約1年が経過し、ワクチン接種に対して、地方自冶体による公費助成の動きが活発になっています。
HPVは、性交渉により感染するため、HPVワクチンの接種は、初交前の女児に対して行われるのが理想的です。
日本の性交経験率の調査等から11歳〜14歳の女児に対して、優先的にワクチンを接種することが推奨されています。日本においても来年から、この年齢層において公費での全額補助による接種推奨が行われる予定です。しかし、15歳以上であっても性交経験のない女性は全面的にHPVワクチンの利益が得られます。性交経験のある女性はワクチン接種時に、HPVに感染している可能性はありますが、このワクチンがHPV防禦するHPV16型/18型に同時に感染している可能性は極めて低く、またHPVに感染していても90%の女性は2年以内に自然に排除されるため、次の感染予防という観点から接種意義は十分あると考えられます。海外の臨床試験では45歳までの女性に対しても有効性が示されており、自費による接種となりますが15歳〜45歳の女性に対してもHPVワクチンを接種することが推奨されています。
平松惠三 |