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涙のお話

 涙というと悲しい時や嬉しい時に流れ出るものというイメージですが、実は涙には非常に大事な役目がいくつもあります。

 今回はその【涙】の持つ重要な役目と、涙に関係する色々な眼の病気について、お話させていただきます。

 皆さんは泣いた時など以外には、普段の生活で涙を意識することはないと思います。
しかし実際、涙は常に眼の表面を流れていて、その構造は外側から順に油の層→水の層→粘液(ムチン)の層というように、3層の成分でできています。

 油の層は水分が蒸発するのを防ぐために、粘液の層は水分が角膜(黒目)に均一にのっかるようにするためにあります。水分は角膜の表面を保護し、その中に含まれる酸素や栄養分を角膜に供給しています。

眼科をやっていますと、こんな患者さんが来られることがあります。
@自転車に乗っていると、涙が溢れてくる(特に冬の寒い日など)
A眼がコロコロする
B眼が疲れる
C眼が乾く
D眼のふちが涙で濡れて、ベタベタして気持ち悪い
E常に片方の眼だけ涙が出て、目ヤニも多い

@ABCはドライアイで起こりやすい症状です。乾くというのは当然ですが、涙には眼を保護する役目もあるため、涙の少ない人は温度や風などの刺激に弱く、反応性に流涙を起こしやすくなっています。そしてドライアイは見え方も不均一で眼精疲労をもたらします。

Dは涙の層の中の粘液(ムチン)が少なくなっていて、涙が角膜に乗らずに重カで下へ流れてしまうため、下方の角膜と下まぶたばかり濡れて、角膜の半分より上は乾いています。 またこの症状は高齢の方に多く、まぶたの皮膚が内側へ巻き込まれてくることも一因でしょう。

Eは上下まぶたの目頭側にある涙点から鼻の奥へと通じている涙道が、どこかで詰まっている時に起こる症状です。生後間もない乳児や中年以降に起こりやすい病気です。

 これらの中には、治療してもなかなかスッキリ治りきらないものもありますが、点眼薬の進歩により、ある程度軽快するものも多くあります。

 もしこのような症状でお困りの方がいらっしゃれば、お近くの眼科で相談されてみてはいかがでしょうか?非常に簡単ですが、今回は涙のお話をさせていただきました。

なかむら眼科 中村陽一


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