最近は坂本竜馬がブームですが、私が幕末で一番惹かれる人物は、高杉晋作です。革命思想と、長州藩の比較的高い身分の一人息子で、藩主を守っていかねばならない使命を生まれつき持っているその立場、これを両立させることに悩みながら、混乱の時代を生き抜き、28歳で短い人生を終えた、その生き方に興味と魅力を感じます。
その新作が残したいくつかの日記の数編が、現代語に読み直して紹介してあります。
萩から江戸への航海の日記、北関東、信州などで武道家や思想化を訪ねた日記、萩でのエリート官僚の日々の日記、上海へ派遣され西洋文明とであった時の日記、失意の内に投獄されたときの日記、いづれも簡潔に自分を見つめ、これからの日本の行方や自分の立場が考察されています。
私の20歳代は一体どんなものだったのかと、反省や懐かしさを感じながら読みました。
これと同じ姿勢で北朝鮮とアメリカが交渉しており、その尻馬に乗って日本も経済制裁などを行っているとしたら、これほど危険なことはありません。
この本は実に重い内容の本で、今年これまで読んだ中でベストです。ぜひお読みください。 |